Left After the Credit: 思惟のフィルムノート

アート系・インディペンデント系の海外映画を中心に、新旧問わず感想や考察を綴っています。

【ネタバレなし】映画『ツイスターズ』でアドレナリン出まくってマッドマックスの続編かと錯覚した

画像引用元:映画『ツイスターズ』公式サイトニュースページより引用(著作権はワーナー・ブラザース映画に帰属します)

(原題:Twisters / 2024年製作 / 2024年日本公開 / 122分 / リー・アイザック・チョン監督 / アメリカ映画)

映画「ツイスターズ」舐めてたけどマジでやばい。ほぼマッドマックスだった。なんなら今年公開のフュリオサよりもデスロードしてた。オープニング初っ端、気象学者の主人公ケイトが見るからにボロいトラックにドロシーと名付けた吸収剤(オムツとかに使われるビーズみたいな高分子ポリマー)を入れたタンクを積んで「竜巻を飼い慣らす!吸収剤で湿度を吸収して竜巻を消滅させる!!」という実験の体で恋人含む仲間たちと竜巻に向かっていくんだけど、竜巻のサイズと吸収剤の量を私の純度100%の文系脳で計算しても明らかに勝てるわけないのがわかり「こいつらすぐに死ぬな」って。あ、これって廃墟に調子乗って乗り込んですぐに殺されるタイプのホラー映画?これってスクリーム?キャビン?ってなった。案の定大失敗したケイトは5年後、巨大竜巻の発生率が高い地元オクラホマを離れてニューヨークのウェザーニュースみたいなところで働いてるんですね。そんなところに昔大失敗した実験を一緒にやってた友人ハビが迎えに来るんですよ。「君がやりたいのはこんなパソコンに向かうだけの天気予報じゃないだろ?また一緒に竜巻を追わないか?最新レーダー使えるよ♡ ケイトのいいとこ見てみたい!!!はいっ!!竜巻竜巻竜巻竜巻」と悪魔の誘いにやって来るんです。悲惨な結果になった過去のトラウマを思い出しながらもケイトはまたオクラホマに行ってしまうんですね。なんでだよ。

オクラホマで出会ったのは竜巻を追うライブ配信をして稼いでる"竜巻カウボーイ"たち。Tシャツやタンブラーなんかも売って人気みたいなんです。野次馬精神という人間の心理の中でも1番謎かつ不要な感情を恥ずかしげもなく披露するファンたちが有難がって買っていく姿を見て、不謹慎じゃないかと引くケイトだったんですけど、竜巻カウボーイのリーダー、タイラーがケイトと同じく気象学畑でマッチョ系かと思いきや意外とインテリとわかったり、配信しながら馬鹿騒ぎしてるだけではなくグッズを売って得た資金で被災者支援もしてる事を知ったりしてどんどん惹かれていくんですね。でもその2人がするデートは竜巻突撃ですからね。奇跡のカップルです。フースーヤがあの芸風をしたい2人が良く出会えたなってYouTubeのコメ欄でよく言われてますけどそれ軽く超えてますからね。

ちょっとミスると死人が出るとわかっている上に実際竜巻に巻き込まれて悲惨な最後を迎える人を何人も見ているのにケイトとハビたち、そしてタイラー率いる竜巻カウボーイは何度も何度も車に乗ってスピードぶち上げて我先にと竜巻を追うんですよ。各々、竜巻を科学で手懐けて消滅させるため、ビジネスのため、配信のため、という建前はあるんですが、竜巻に向かっていく車の中で「フォォォォォッッッ!!!」「急げあっちだ車を停めろ今すぐ!!!!何やってんだ!!!!」等と叫びまくっている上に竜巻カウボーイは竜巻に飛ばされないように地面に埋め込むドリルが付いてたりロケット花火飛ばせる改造車乗ってたりして、あ、これホラー映画じゃなくてマッドマックスだ。こいつら狂ってる。オクラホマはデスロードでタイラーがマックスでケイトがフュリオサだそして竜巻がイモータン・ジョーだってなって私もアドレナリンがドバドバ止まらなくなりました。これも実際鑑賞後すぐに目ギンギンで書いてます。

竜巻シーンは全部VFX+グリーンバックなんだろうけど、だとしてもどう撮ってるんだ?てか俳優たち大丈夫?トラウマにならない?って心配になるほどのディザスターが画面に映し出され続ける120分。ケイトのトラウマとの対峙と克服、なんてストーリーもしっかり描かれるんですが、竜巻が出てこない場面はろくに集中できず竜巻怖いってずっと震えてた。竜巻が通り過ぎた後の破壊された町もしっかり映し出されるんですけど、いやこれ「地震、雷、火事、親父」なんて言うけど「地震地震地震竜巻竜巻竜巻」に変えた方が良いでしょ冷静に考えて…って気象庁か警視庁か内閣府かどこかに要望書書こうと決心しました。

ラストにもちろん劇中で最大の竜巻と戦うわけですけど、最後の15分は映像の没入感がすごいので私も竜巻と戦ってる気持ちになってずっと固く手を組んで神に祈ってた。タイラーが「竜巻が出来る仕組みは科学半分、宗教半分だ」なんてことを言うんですけど科学でその竜巻に立ち向かうケイト達と違って私は科学はさっぱり分からないので「宗教100」で挑むしかないですからね。私はこの"マッドマックス 怒りのロード・トゥ・ツイスターズ"の中ではその他大勢の雑魚ウォーボーイズな訳です。取り急ぎ銀色のスプレー口に振りかけときますね。

ラストの展開でケイトが竜巻に向かっていくためにブレーキを踏み込んで1人車を走らせるカットがあるんだけど、あの瞬間のデイジー・エドガー=ジョーンズは確実フュリオサだった。かっこよすぎて惚れた。てかデイジー・エドガー=ジョーンズは「ザリガニの鳴くところ」でもそうだったけどまた自然を手懐ける役だったなっていやジャンルがニッチ過ぎ。

あと若干ネタバレになるのと私と同じ恐怖を味わって欲しいから言えないんだけど、製作者の意地が悪いとしか思えない場所で繰り広げられる展開もあってかなり大好きですありがとうございましたお願いだからマッドマックス好きな人は全員映画館で観てください。(つまり映画好きは全員鑑賞しろください) 

 

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